International Light Association 2017カンファランスレポート①

LEDの有効性と弊害
スピーカー:Deborash Burmett(アメリカ)
要約:Color Works


Deborash Burmett

Deborash Burmett氏は、国政的に認知されているインテリアデザイナーであり、
アメリカ睡眠医学アカデミーにて人の健康と光環境についての研究を進めている。


研究発表概要
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LEDは、小型化・低消費電力化され、未来の照明として可能性を持っており、
世界的に使用頻度が高くなってきている。
しかし、その有益性の裏に潜む人の健康に及ぼす悪影響についても認知を高め、より正しく使用する
必要がある。



LED(青色波長光)の有益な影響と悪影響について
暗闇、日光、月光、および全ての電気光源への暴露は、
人間の生体に直接影響を及ぼし、後に行動や感情反応に影響を与える。
周囲光は光エネルギーの波長として視覚から摂り込まれ脳へと送られる。
脳へと送り込まれた光波長は、脳によって支配されている特定の遺伝子の発現と大部分の
内分泌反応に影響を与える。
夜間に過剰な光刺激を受けると概日リズムが崩壊し、それにより、メラトニン抑制、
特に乳がんに関連する潜在的な発がん作用が懸念される。
概日リズムの崩壊によって悪化する可能性のある他の疾患には、肥満、糖尿病、うつ病、
自己免疫障害、生殖障害および気分障害が含まれる。
このような弊害を防ぐためのポイントは以下である。

*日中の照明(青色波長光)暴露の縮小
*夜間の過剰暴露の防止
*照明照度は1,000~1,250lux
*就寝3時間前には光暴露を避ける


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食糧問題
作物は成長過程において、光の明暗周期を使用している。
光の明暗サイクルが狂うと、マメ科植物は死滅する。
1967年に行われた研究では、青色波長光の下では成長が止まり、
赤色波長光の下では促進された。




サンディアル橋の照明

カリフォルニア州のサンディアル橋は、2004年に解放された。
サンディアル橋が架かるサクラメント川では毎年15,000超の
サケが産卵に戻ってくるが、橋を解放した後の2011年には
サケの数は800ほどに減少した。
サケの減少の要因のひとつが橋の照明にあると考え、
サケが戻る時期には橋の消灯が行われることになった。


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光は薬物
光は使用法によっては薬物になり得る。健康に与える影響を知り、適正に使用する必要がある。
 *暴露する時間帯
 *光の強度
 *暴露し続ける時間(期間)
 *光のスペクトル分布
 *光源



LEDのメリットとリスク

LEDは低消費電力を実現し、従来の照明に比べて低い電気抵抗と高い安全性をもたらしている。
また、水銀放出の問題も解消した。大気中に放出された水銀蒸気を呼吸すると神経系、呼吸器系
および免疫系に有害な影響が及ぶ。
この問題をクリアしたことは、生命にとって大きなメリットである。しかし、自然の太陽や月光が放つ
スペクトルに比べるとLEDの放射するスペクトルは青色波長光が強い。よって、LEDは安全性が高い
とはいえ、前述したように暴露される時間や照度などに留意し、これからの照明選びにおいては、
科学的、医学的リソースを踏まえて、健康と健全なライフスタイルの利益を最大化させていくことが
必須である。


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